VividRabbitRicoのおもちゃ箱

下手くそながら作ったプラモデルや、弄っているいろいろなおもちゃを置いておく場所です。

Zenfone Max Pro M2をAndroid10 β版にしてみる

今日はスマホの話です。プラモじゃないじゃん!となりますが、ある種のおもちゃなので良しとしてくださいな。

 

Android端末の現役期間は、基本的に毎年1回のメジャーアップデート2回=発売から2年が目安となっています。なので例えば工場出荷時でAndroid 6.0 Marshmallowだった端末ならAndroid 8.0 Oreoのアップデートが来たとき、8.0の端末なら10のアップデートが来たときを目安に、買い換え時となるわけです(OSとしての実際のサポート期間はもう少し長いです)。

もちろんメーカーや型式によってなかなかメジャーアップデートが来ないこともあります。以前使っていたAQUOS SERIE mini (SHV31)なんかは最初から最後までずっとAndroid 4.4.4のままでしたね。

私は何年か前からSIMフリースマホの世界にハマり、2年前からはASUSのZenfoneシリーズに心酔しております。その当時では既に型遅れとなり始めていたZenfone3を比較的安価で新品購入し、入手後数ヶ月で2回目のメジャーアップデートに当たるOreoアップデートを適用。それから今年の3月まで、ずっと使い続けていました。しかし今年の3月、Google Play 開発者サービス (以下GPDS) が頻繁に機能停止メッセージを吐かせるようになりました。

地味な存在のGPDSですが、Android OSの各サービスに付随した重要なプログラムですから、これがエラーを吐くということはマトモにスマホが使えないことを意味します。私のところではGoogle Mapsのタイムライン記録ができなかったりした程度の実害でしたが、四六時中ポップアップが出てくるので使い物になりません。ちょうど使い始めて2年ということもあり、スマホを買い換えることにしました。

当時の現役ナンバリングモデルといえばZenfone6でしたが、いかんせん高級機には手が出ません。どうせつなぎだからと、Zenfone Max Pro M2(以下Max Pro)を購入しました。ちなみにその数ヶ月後、新型コロナウイルスによる経済停滞打開策として定額給付金が支給されたので、Zenfone7を購入しました。

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と、前置きがたいへん長くなりましたね。

ともかく、メイン機としてZenfone7を入手した私の手元には、Wi-Fi専用機としてMax Proが残りました。Zenfone3もSIMを抜いてからは急にエラーが出なくなったので手元に置いてあります。

さて、このMax Proですが、台湾本国発表が19年2月、日本版正式発表が3月、同年6月には1回目のメジャーアップデート(Oreo→Pie)を迎えていますので、今年中のAndroid10アップデートは秒読みだろうと踏んでいました。ただ、待てど暮らせどAndroid10リリースの知らせは来ません。そうこうしているうちに、Max Proより1年早い発売のZenfone5が、デベロッパー版Android10のインストールに対応した、というニュースを聞きました。そのうちにMax Proの下位グレードであるZenfone Max M2、そしてMax Proにも同様のアップデートが用意されました。

このデベロッパー版、あるいはベータ版は正式版ではないので、本来なら正式版の登場を待つべきと考えるのですが、ちょうどメイン機の7がAndroid10であり、その操作性が非常に良かったこと、どうせサブ端末なので多少弄っても生活に支障が出ないことから、お遊び感覚でデベロッパー版をインストールしてみることにしました。

 

Android10ベータ版をインストールする前に、留意すべき事項があります。データのバックアップはしっかり取っておくということです。

通常のアップデートでも同じことが言えますが、今回は①(公式配布ながら)正式版でないこと、②データは全消去の上でアップデートが実施されること、の2点に注意が必要です。当然、アップデートに失敗し、文鎮化する可能性もあります。

アップデート時にはデータが全消去されること、あるいはベータ版であるゆえに製品サポートには期待できない可能性が非常に高いです。また、今後正式版がリリースされる可能性もあるので、Max Proやベータ版対象端末がメイン機だという場合にも、オタクでない限りは正式版を待つほうが無難でしょう。

 

この部分で覚悟ができれば、あとはサポートサイトからアップデートファイルをダウンロードするだけです。製品サポートページ内のDriver&Toolsより、「ファームウェア」のバージョンJP-17.2018.2007.428が、Android10デベロッパー版となります。

ZenFone Max Pro (M2) (ZB631KL) | ZenFone Max | スマートフォン | ASUS日本

ダウンロードリンク先はzipファイルとなっており、パソコンからでもZenfoneからでもダウンロードすることが可能です。この手のアップデートは、Google NexusなどではパソコンからAndroid SDK Platform-Toolsでfastboot flashing unlockコマンドを実行してやったりするイメージが強いのですが、Zenfoneシリーズでは端末上でzipファイルをダウンロードするだけで良いようです。パソコンからであれば、ダウンロードしたzipファイルを、端末から認識できる記録媒体に保存するだけです。USB接続で直接端末ストレージに入れても良いですし、microSD経由で端末に認識させても構いません。

端末が認識できる場所にファイルを置いたら、端末を再起動します。再起動後は「適用可能なアップデートがある」旨の通知が出ますので、アップデートをタップするだけでインストールが始まります。

 

アップデート完了後の再起動で、PINを求められることがあります。ここで以前設定していたPINを入力しても通りませんし、1234や8888、0000といった適当なPINももちろん弾かれてしまいます。

せっかくアップデートしたのにここで半文鎮化か・・・と心が折れる場面ですが、ここでサポートサイトのアップデート手順をよく読んでみましょう。

Steps of Update:
1. Check software version of your device**
2. Download the image and then put the file into the root directory of the device internal storage
3. Only apply to same SKU update, Example: WW->WW, CN->CN, TW->TW.
4. Software update cannot transfer the software SKU and downgrade the software version.
5. Wrong SKU may cause update failure, please update the same SKU version only.
6. When occurred unexpected password key in request during upgrade to Android 10 please follow below link to recover the system.
http://www.asus.com/support/FAQ/1042350

手順の6番に、「アプデ中全く分からないパスワードが要求されたら、以下のリンクを元にリカバリーモードを実行してアップデートを完了してください」(意訳)ということが記されています。

そう、身に覚えの無いPINが要求されるのは仕様であり、リカバリーモードから工場出荷時の設定にオールリセットすることで解決することも、アップデートのひとつのプロセスとして設定されているのです。この手順がデータ全消去に伴って生じるものなのか、あるいは全ての端末で発生するかどうかは不明ですが、個別のヘルプページがあるということは、発生しない端末があるのかもしれません。

ちなみに普通にパスワード忘れなどで端末のロック解除手段をなくした場合も、Googleの「端末を探す」から遠隔でデータを全消去するか、リカバリーモードから手動消去するしか方法はありません。

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リカバリーモードに入るには機種によって操作が異なりますが、本機の場合は電源キーと音量マイナスキー5秒間同時押しでした。
この中のWipe data/factory resetとWipe cache partitionを実行(Yes選択)し、Reboot system nowでシステムを再起動します。

あとはシステムが立ち上がってくるのを待つだけです。そのうち初期設定画面が表示され、そこに被さる形でアップデート成功のメッセージが表示されれば、アップデートは完了です。

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PINが全く通らなかったときにはヒヤヒヤしましたが(最初からちゃんと手順を読め)、デベロッパー版とはいえ基本動作にとくに問題はなさそうです。強いて言えば壁紙変更の一部ボタンが英語のままだったり、壁紙のクロップがうまくいかなかったりするくらいでしょうか。クロップ問題はAndroid Pie時代からもありましたけど・・・。

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左がZenfone7、右がMax Pro M2です

あとは試作版ということで、ナビゲーションバーまわりの寸法がAndroid Pie基準のままな気がしますね。これまで通りの3ボタンやPieの2ボタンならともかく、10から追加されたジェスチャでは、少々スペースが空きすぎている気がします。

 

遊び感覚で入れてみたMax Pro向けのAndroid10デベロッパー版ですが、アップデート手順さえちゃんとできていれば、問題なく使えそうです。

ただし、データ全消去やリカバリーモードというプロセスを伴うこと、アプリによっては動作に支障が出るリスクも内包していますので、メイン端末であれば必ず有事に備えたバックアップ端末があること、データが保護された状態でインストールすることを強く推奨します。

どこかで拾い読みした話ですが、このインストールが終了するまでは、LINEを引き継ぎモードにしておくと良いです。どっちにしろアプリも全部消えてしまうので。

その覚悟、というには大げさですが、それくらいの心意気がなければ、正式版を待つかアップデートしないほうが良いでしょう。

 

今回はこの辺で。